Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
この間も縁側で園田の膚垢を取ってやっていると、あの人が傍へ来て、冷やかし半分厭味を言ったりするの。」
「そんなこと気にすることないじゃないか。」
「それあそうだけれど……。」
葉子は少し顔を紅らめて、
「だけどあの人こんなこと言うのよ。世間の噂も煩いし、牛込の家を売るたって、今すぐというわけにもいかないから、人目にふれない処に当分隠れていろというの。それにちょうどいいところがある。沼津とかの町端れの高台の方に、懇意な古い宿屋とか別荘とかがあるから、そこへ行っていろと言うの。」
「二人で?」
「ううむ、私一人でよ。」
「引き分けるつもりなのか。」
「そうでもないらしいんだけれど、後から黒須さんが行くから、とにかく先きへ行っていろというの。何でも大分田舎らしいのよ。その時は私もその気になったんだけれど、黒須さんと園田さんに送られて駅へ来てから考えたの。行ったものか止したものかと。でも黒須さんが切符を買ってくれたものだから、まさか乗らないわけにも行かないでしょう。仕方なし乗ったは乗ったけれど、何だか気が進まないの。それでふと止す気になって、次ぎの駅でおりてしまったの。