Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
そこへちょうど上りが来たものだからそれに乗ってここへ来てしまったの。」
誰にも馴れやすくて愛嬌の好い葉子ではあったが、それだけにまた異性に対して用心深いことは、庸三もかねがね分かっていた。彼はその男の風貌や人柄を想像してみて、通俗小説にでもありそうな一つの色っぽい出来事と場面を描いてみたりしていた。
「それでここへ着いてから、私電話で黒須さんと話してみたのよ。そしてこの私たちの問題を、はっきり取り決めるために、一度先生に逢ってもらいたいと言ったの。――御免なさい、お断わりしないで、先生を引っ張り出したり何かして。でもそうするよりほかなかったの。お願いですから、黒須さんにお逢いになってね。」
そういうことには、至ってあやふやの庸三ではあったが、娘の縁談を取りきめるというほどのことでもなかったし、一応先方の話を聴くくらいのことなら引き受けてもいいのではないかと思った。
「逢ってみてもいいね。こっちから行くのか、それともどこか会見の場所でも決めてあるんだったら……。」
「あの人がここへ来ることになっているのよ。それも明日のお昼ごろということにしたの。あの人、ほんとうに先生と手が切れているかどうか、それも心配らしいんだわ。