Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
瑠美子の健康にも田舎の暮しのいいことがつくづく思われる云々。
庸三がわざと擬装しているとでも思ったらしく、葉子は外へ出てからも、ここで別れる彼を哀れむように自身もいつか自身の言葉に感傷を誘われたふうで話しつづけた。
「じゃもうお別れね。解って下すったわね。」
彼女は手を延べた。
「さようなら。」
塵除けの翅を翻して、広小路の方へ歩いて行く彼の後ろに声がした。
しかし二日もたたないのに、庸三はまた呼出し電話の口で、彼女の朗らかな声を耳にした。
「すぐ来て。私お母さんと喧嘩して帰って来たの。」
たといどんな条件で別れたにしても、呼び出そうと思えばいつでも呼び出せる庸三だと、葉子は高を括っていた。それに今度は金の問題があるだけに、取るには取ったが、後の気持に何か滓が残った。上野で袂を別った時の彼の態度も気にかかった。庸三は一応春日の手前も考えてみなければならず、かかる事件の連続にも飽いていたが、別れた時の言葉はまるで忘れたような今の葉子の電話の爽やかさには、自身に閉じ籠もってもいられないような衝動が感じられ、変転究まりない彼女の行動を、つけられるだけは尾けてみたくもあった。