Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
ある時は女二人が一つ蒲団のなかで、睦まじそうに話しながら寝ている傍で、庸三は頭のつかえる押入のベッドのうえに横たわっていた。
やがて応募作品が十篇二十篇と彼の書斎に持ちこまれて来た。
初め葉子は彼女の計画を庸三には一切秘密にしておくつもりであった。それというのも、あいにく二人の選者のうちの一人が庸三自身であったからで――しかしまた庸三が取捨の一半の権利をもっており、事によれば庸三が採点の遣り繰り一つで、彼女の作品の運命を決定することも不可能ではなかったので、あらかじめ彼の批判を得ておきたくもあった。
「選者として先生をお苦しめするのは、私も良心に咎めることですから、先生には秘密にしておきたかったのですの。でも先生は毎日のように来るでしょう。私全く困っちゃったの。もちろん栗原さんも大変いいものだから、きっと当選するだろうと言って下さるし、私も脂が乗ったものなの。つい秘密が保てなくなってしまったんですけれど、匿名なら先生の立場だって、別に悪くはないわけじゃない? それも先生に贔屓分に点をいただこうとは思わないの。選者として公平な態度をお失いにならない限度で、もしかして二つ同点の作品があったというような場合に、私のをお採りになっていただけないこともないじゃないかと、そう思ったの。