Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
中学時代に読んだダアウィンやヘッケルのような古い科学書の方がまだしも身についている感じだった。
「君だって何かなくては困るよ。いつも若ければいいが、年を取れば取るほど生活の伴侶は必要だよ。」
これも中年で妻を失った均平の友人の言葉で、均平は近頃この友人の刊行物を、少し手伝っていた。
例のお医者も、この辺を往診のついでに、時々様子を見に来たりして、「あの人は金取りではないね」と、銀子を気に入っていた。
均平は邸宅を取られてから、子供と一緒に小さい借家にいたので、自然双方を往来することになり、銀子の癖で何となし気分が険悪になったり、均平自身も理由もなしに神経が苛立たしくなったりすると、いきなりステッキを手にして、ふらりと子供の方へ帰って行くのだったが、それも二人の生活の前途に不安の影が差していたからであった。
銀子は退屈しのぎというだけでなく、まさかの時にはいつ何時撥をもつことにならないとも限らないので、もとから清元が地だったので、六十に近い女の師匠に出稽古をしてもらい、土橋を稽古していた。師匠は日の少しかげった時分に浴衣がけで現われ、たっぷりした声で、江戸ものらしい調子で謳っていたが、銀子の謡いぶりはいつも素朴で、甘味たっぷりの豊かな声ながら、気取りや巧者なところはなかった。