후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
五
五
かなり時が経った。だが、待つ人はなかなか来なかった。
ばばは、お通ひとりを舟に残して、岸へ上がった。城太郎が案内して来る筈の武蔵の影を、そこに佇んで待ちあぐねている様子――
お通は。
やがて、武蔵がここへ来るかと思うと、人知れず動悸が打って、静かに身を横たえてもいられないらしい。
木枕や臥床を、苫の隅へ押しやって、襟をあわせたり帯の結びを直したりした。恋を覚えそめた十七、八の年頃の動悸も、今の動悸も、彼女には少しも変って来たふうがない。
小舟の舳には、篝火が吊ってあった。夜の江口にその火は照りはえて、お通の胸にも赤々と燃えさかった。
彼女は今、病を忘れていた。小舟の縁から白い手をのばし、櫛をぬらして髪を撫であげた。そして掌に少しの白粉を溶き、それとも知れぬほど淡く顔を粧った。
彼女は人にも聞いている。
侍ですら、深い眠りをとった直ぐ後とか、体のすぐれぬ時などに、やむなく君前に出たり人と会う時は、手水をつかう間にそっと手早く、頬に隠し紅を粧って、はればれしく対語するとか――いう心がけを。
「……だが、何といおう」
お通はまた、武蔵と会った上のことが心配になった。