후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,229자 · 389화면
大江戸は、人間の港なのだった。
海に、港に、潮のさしひきがあるように、この大江戸にも、眼に見えない人間のみち潮、ひき潮――。
お美夜ちゃんという小さな人間の一粒が、こけ猿の壺をしょって飛ぶ鳥を落とすお奉行大岡越前守様のお前に現われたのも、その人間の港の潮のなす、ふしぎな業であったといえよう。
また。
自分の背中の、きたない古い茶壺のなかに、そんな何百人、何千人の大人たち――伊賀の侍たちをはじめ、こわいお侍さんの大勢に、こんな生き死にの騒ぎをさせるような、巨万の財宝がかくされてあろうなどとは、もとより知るよしもないお美夜ちゃん……まるで、塗りのはげた木履に小判がのっかって、港の石垣に流れよって来たようなもの。
そして、一方では。
三方子川の漁師六兵衛の網に、隻眼隻腕の痩せ浪人と、青白い美男とが引っかかった――。
たいへんな獲物。
これも、人間の港のはかり知ることのできない、浪の動きというべきであろう。
人間の港は、雨につけ風につけ、三角浪をたて、暗く、明るくさかまいて、思いもよらない運命のはしはしを、その石垣の岸へうち寄せる……お江戸八百八町の潮のふしぎ。