후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
ふと、彼女は心がうごいた。苞の鶯のように、この冬は、城の外へ出なかった。
本丸から山づたいに、搦手の雑人門の方へ降りて行った。そこの城門には、常詰の番人がいて、いつも素槍を持って歩いているが、彼女の姿を見ると、番人も遠方から笑って頷いただけである。丑之助はもちろん鑑札を持っている。だが、その鑑札を示す必要のないほど、彼も番人たちとは親しかった。
「被衣を着てくればよかった」
牛の背に乗ってから、彼女はそう気づいてつぶやいた。知ると知らぬに関わらず、道ばたの軒から彼女を仰ぐ者や、行き会う百姓たちは、
「よいお日和さまでございます」
と、ていねいに挨拶した。
だが、しばらく行くと、城下の家々もまばらになった。――そして後ろに柳生の城が山のすそに白く振り返られた。
「黙って出て来てしまったけれど、陽の明るいうちには帰れますね」
「帰れるとも。おらがまた、送って来るから」
「だって、おまえは、荒木村へ戻るのでしょ」
「一里ぐらい、何度往き来したって……」
話しながら行くうちに、城下端れの塩屋の軒で、塩と子猪の肉とを交換していた牢人ていの男が後からのそのそ追いついて来た。