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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

「よし、しからば、今よりそれがしの部下として用いてやる。ただし、当分の間は給料もつかわさんぞ。また、食物その他も、お互いにある物を分けて喰い、いっさい不平を申すことならん」

それでも、募りに応じてきた若者輩は、元気に兵隊となって、劉備、関羽らの命に服した。

四、五日のうちに、約七、八十人も集まった。望外な成功だと、関羽はいった。

けれど、すぐ困りだしたのは食糧であった。ゆえに、一刻もはやく、戦争をしなければならない。

黄匪の害に泣いている地方はたくさんある。まずその地方へ行って、黄巾賊を追っぱらうことだ。その後には、正しい税と食物とが収穫される。それは掠奪でない。天禄だ。

するとある日。

「張将軍、張将軍。馬がたくさん通りますぞ、馬が」

と、一人の部下が、ここの本陣へ馳せてきて注進した。

何者か知らないが、何十頭という馬を数珠つなぎにひいて、この先の峠を越えてくる者があるという報告なのだ。

馬と聞くと、張飛は、「そいつは何とか欲しいものだなあ」と正直にうなった。

実際いま、喉から手の出るほど欲しい物は馬と金と兵器だった。だが、義挙の軍律というものを立てて部下にも示してあるので、「掠奪して来い」