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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

三

、第3水準1-14-50)州へ引揚げてしまった。

偶然だが、玄徳の一文がよくこの奇効を奏したので、城兵の随喜はいうまでもなく、老太守の陶謙はふたたび、

「ぜひ自分に代って、徐州侯の封を受けてもらいたい、自分には子もあるが、柔弱者で、国家の重任にたえないから――」と、玄徳へ、国譲りを迫った。

しかし玄徳は、なんとしても肯き入れなかった。そしてわずかに近郷の小沛という一村を受けて、ひとまず城門を出、そこに兵を養いながら、なおよそながら徐州の地を守っていた。

三

快鞭一打――

曹操は、大軍をひっさげて、国元へ引っ返した。

彼は、難局に立てば立つほど、壮烈な意気にいよいよ強靱を加える性だった。

「呂布、何者」

とばかり、すでに相手をのんでいた。奪われた州を奪回するに、何の日時を費やそうぞと、手に唾して向っていった。

軍を二つに分け、旗下の曹仁をして※(「亠/兌」、第3水準1-14-50)州を囲ませ、自身は濮陽へ突進した。敵の呂布は、濮陽を占領して、そこの州城にいると見たからである。

濮陽に迫ると、

「休め」

と、彼は兵馬にひと息つかせ、真ッ紅な夕陽が西に沈むまで、動かなかった。