轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

といって、なにがしかの銀を、軍費のうちから出させて、関羽の手からそっと、守護の隊将へ手渡し、

「ひとつ、あなたのお力で」

と、折入っていうと、賄賂の効き目は、手のひらを返したようにきいて、隊将は立ち戻って、檻車を停め、

「しばらく、休め」 と、自分の率いている官兵に号令した。

そしてわざと、彼らは見て見ぬふりして、路傍に槍を組んで休憩していた。

玄徳は、騎をおりて、その間に、檻車のそばへ馳け寄り、がんじょうな鉄格子へすがりついて、

「先生っ。先生っ。玄徳でございます。いったい、このお姿は、どうなされたことでござりますぞ」

と、嘆いた。

膝を曲げて、暗澹と、顔を埋めたまま、檻車の中に背をまるくしていた盧植は、その声に、はっと眼を向けたが、

「おうっ」

と、それこそ、さながら野獣のように、鉄格子のそばへ、跳びついてきて、

「玄徳か……」と、舌をつらせて顫いた。

「いい所で会った。玄徳、聞いてくれ」

盧植は、無念な涙に、眼も顔もいっぱいに曇らせながらいう。

「実は、こうだ。――先頃、貴公がわしの陣を去って、潁川のほうへ立ってから間もなく、勅使左豊という者が、軍監として戦況の検分に来たが、世事に疎いわしは、陣中であるし、天子の使いとして、彼を迎えるに、あまりに真面目すぎて、他の将軍連のように、左豊に献物を贈らなかった。