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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

盧植は、わざと、鄭泰のほうへ向って話しかけた。暗に何進を諫めたのである。だが何進は、用いなかった。

「そう諸君のように、疑心をもっては、天下の英雄を操縦はできんよ」

「――ですが」

鄭泰がなお、苦言を呈しかけると何進はすこし不機嫌に、

「まだまだ、君たちは、大事を共に謀るに足りんなあ」と、いった。

鄭泰も、盧植も、

「……そうですか」

と、後のことばを胸にのんで退がってしまった。そしてこの両者をはじめ、心ある朝臣たちも、こんなことを伝え聞いて、そろそろ何進の人間に見限りをつけだして離れてしまった。

「董卓どのの兵馬は、もう池(河南省・洛陽西方)まで来ているそうです」

何進は、部下から聞いて、

「なぜすぐにやって来んのか。迎えをやれ」と、しばしば使いを出した。

けれど、董卓は、

「長途を来たので、兵馬にも少し休養させてから」

とか、軍備を整えてとか、何度催促されても、それ以上動いて来なかった。何進の催促を馬耳東風に、豺狼の眼をかがやかしつつ、ひそかに、眈々と洛内の気配をうかがっているのであった。

五

一方。宮城内の十常侍らも、何進が諸国へ檄をとばしたり、檄に応じて董卓などが、※(「さんずい+黽」