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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页
やがて、逃げのびてきた味方を集めたが、それは全軍の十分の一にも足らない数だった。ほとんど、全滅的な敗北を遂げたのである。
悲痛なる夜は明けた。
敗れた者の傷魂のように、その晩、残月のみが白かった。
「先鋒の味方は全滅したぞ」
「敵の大軍は、勝ちに乗って刻々迫って来つつある――」
後方の本陣は大動揺を起した。
総帥の袁紹、唯幕の曹操、みな色を変えた。
前には。
鮑将軍の弟の鮑忠が、抜けがけをして、かなりの味方を損じたという不利な報告があったし、今また、先鋒の孫堅が、木ッ端微塵な大敗をこうむったという知らせに、幕営の諸将も、全軍の兵気も、
「いかがすべき?」と、いわんばかり、すっかり意気沮喪の態であった。
それか、あらぬか。
袁紹、曹操を始めとして、十七鎮の諸侯は、その日、本営の一堂に会して、頽勢挽回の大作戦会議をこらしていた。けれど、敵軍の旺なことや、敵将華雄の万夫不当の勇名に圧しられてか、なんとなく会も萎縮していた。
総帥の袁紹も、はなはだ冴えない顔をしていたが、ふと座中の公孫のうしろに立って、ニヤニヤ笑みをふくんでいる者が眼についたので、
「公孫※(「王+贊」