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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

「それはもとより望むところだが、どういう計をもってこれを奪るか」

「ひそかに北平(河北省・満城附近)の太守公孫へ使いを派し、冀州を攻って、これを割け奪りにしようではないか。――そういってやるのです」

「むム」

「必ずや、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)も食指をうごかすでしょう。そうきたら、将軍はまた、一方韓馥へも内通して、力とならんといっておやりなさい。臆病者の韓馥は、きっと将軍にすがります。――その後の仕事は掌にありというものでしょう」

袁紹は歓んで直ちに、逢紀の献策を、実行に移した。

冀州の牧、韓馥は、袁紹から書面を受けて、何事かとひらいてみると、

(北平の公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)、ひそかに大兵を催し、貴国に攻め入らんとしておる。兵備、怠り給うな)

という忠言だった。

もちろん、その袁紹が、一方では公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)を使嗾しているなどとは知らないので、韓馥は大いに驚いて、群臣と共に、どうしたものかと、評議にかけた。

「この忠言をしてくれた袁紹は、先に十八ヵ国の軍にのぞんで総帥たる人。また、智勇衆望も高い名門の人物。