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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

勅使馬太傳は、まず袁紹の陣へ行って、旨を伝え、それから公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)の所へ行って、董相国の和解仲裁の意をもたらした。

「袁紹さえ異存なくば」

と、一方がいえば、一方も、

「彼が兵を退くならば」

との云い分で、両方とも、渡りに舟とばかり、勅命に従った。

そこで馬太傳は、盤河橋畔の一亭に、両軍の大将をよんで、手を握らせ、杯を交わしあって、都へ帰った。

袁紹も、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)も、同日に兵馬をまとめて、おのおの帰国したが、その後、公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)は、長安へ感謝の表を上せて、そのついでに、劉備玄徳を、平原の相に封じられたいという願いを上奏した。

朝廷のゆるしは間もなく届いた。公孫※(「王+贊」、第3水準1-88-37)は、それを以て、

「貴下に示す自分の微志である」と、玄徳に酬いた。

玄徳は、恩を謝して、平原へ立つことになったが、その送別の宴が開かれて、散会した後、ひそかに、彼の宿舎を訪れて来た者がある。趙雲子龍であった。

子龍は、玄徳の顔を見ると、

「もう、今宵かぎり、お別れですなあ」