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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川英治『三国志(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志、三国志。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 309,839 字 · 622 页

青空文庫

と、自責にかられたか、急遽、城の東門へ迫って、内部の田氏に交渉し、呂布の家族たちの身を貰いうけて、後から呂布を追い慕って行った。

城地を失うと、とたんに、従う兵もきわだって減ってしまう。

(この大将に従いていたところで――)と、見限りをつけて四散してしまうのである。田氏は田氏ひとり在るのみではなかった。無数の田氏が離合集散している世の中であった。

だが、ひとたび敗軍を喫して漂泊の流軍に転落すると、大将や幕僚は、結局そうなってくれたほうが気が安かった。何十万というような大軍は養いかねるからである。いくら掠奪して歩いても、一村に千、二千という軍がなだれこめば、たちまち村の穀倉は、いなごの通った後みたいになってしまう。

呂布は、ひとまず定陶まで落ちてみたが、そこにも止ることができないで、

「この上は、袁紹を頼って、冀州へ行ってみようか」と、陳宮に相談した。

陳宮は、さあどうでしょう? と首をかしげて、すぐ賛成しなかった。呂布の人気は、各地において、あまり薫しくないことを知ったからである。

で、一応、先に人を派して、それとなく袁紹の心を探らせてみているうちに、袁紹は伝え聞いて謀士の審配へ意見を徴していた。