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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
なかにも奥山は、公園第二区となった観音裏に門並の楊弓店、のんきな連中が入り浸ってドンカチリと的の音、これも時代の一風景。
明けっ放しの店を覗くと、赤毛氈の上に黒塗り扇形の矢函へ玩具のような弓と矢が七、八本ずつ、三組ほど、その奥三間ばかりの突当りに長方形の大きな太鼓、その表面へ大小三、四個の的が吊してある、客は毛氈の上へ猫背に坐って的を狙う。大抵は外れて太鼓へドン、一隅に長火鉢を据えて例の白首が二、三人、長煙管を手にして表を眺め、「ちょいと眼鏡の旦那」「シャッポの兄さん」など、大ぴらに呼び込む。
湯帰りの出来心、飛んだ的をねらう那須の与市も相当あって二十四、五年頃まで繁昌、白首即ち矢取女のサービスが過ぎたためか追い追い禁制。代って現われたのが銘酒屋、初めは同じ場所に限られたがだんだん蔓こって十二階下や六区に進出、家号を書いた腰高障子に紋散らしの御神灯、店にはちゃちな卓子と二、三の椅子、壁際の棚に申し訳ばかりの洋酒の壜、安ブドウ酒やリキュールぐらいで白首相手の無駄話。
青い灯赤い灯の今のバーの前身ともいうべきもの、矢場の弓矢と同じく酒は付けたり、敵本主義のデカタン遊び、風俗係が目を光らしても同業は殖える一方。