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めいじせそうひゃくわ

明治世相百話

山本 笑月

線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁

青空文庫

定席と堂摺連

満場水を打ったように静粛に聞き入って、他の女義席とは全然異なった空気である。この人も弾き語り、得意は「陣屋」「岡崎」「寺子屋」など、ことに「鰻谷」はこの人の極め付で呼び物の一つ、前後を通じて女義界の名人であろう。

降って三十五、六年以後の花形というと、組太夫の弟子の組春、朝太夫門下の朝重、そのほか愛之助、新吉、一二三、八重子、京子、京駒、昇之助、昇菊などの面々で、これが明治の末年まで続いたが、追い追い下火となり、往年の人気は今やこうした夢物語。その間には大阪の長広や東猿が来たり、近くはおなじみの呂昇一座が時々上京して有楽座へ掛る。呂昇は例の美音と、素直で判りのよい語り口が東京ッ子にも大受けでいつも満員の盛況。その呂昇もすでに過去の人となって、東西共に女義界は大切の簾が下りた。

定席と堂摺連

最後に当時の女義太夫の定席を挙げると、第一が茅場町の宮松、ここで看板を上げれば一流の真打という相場がきまる。つづいて神田の小川亭、鍋町の鶴仙、花川戸の東橋亭、両国の新柳亭、芝の琴平亭など一流の席で賑わったものだ。瀬戸物町の伊勢本、本郷の若竹なども一流組だが、時々色物と交代する。