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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
涙の出るような話
このことを後年内田魯庵氏に話すと、私も先年(二十五年頃)写楽を一枚一円ずつで五、六枚買いましたが、友人が売ってくれというので二円ずつで譲ってしまったら、間もなくだんだん高くなったので惜しいことをしたと思います、との述懐。それでも五厘から思えばだいぶ出世した。
以上二つの話をさらに、芝の村幸で通った古書店の主人村田幸吉老に語ると、私も写楽では失敗した。三十五、六年頃のことですが、出物で二十余枚、一枚三十円で買ったその翌日、仲買の外人が来て五十円ずつに買うという、こんなうまい話はないとすぐに売りましたが、今では一枚三百円以上ですから結局大損をしたわけですと、これは明治四十年頃の話。
その後は鰻上りに上る一方、それがまた大正七、八年の成金相場で一躍数千円乃至一万円という騒ぎ、昭和の今日では少し下火になったが、ともかくも五厘からここまで漕ぎつけた写楽先生一代の出世物語。
涙の出るような話
利休の茶しゃくが僅か十銭
時代の趨勢ほど恐ろしいものはない。明治の初年(十年頃まで)は全く古美術品の無価値時代で、就中、茶道具などはただ同然。維新後間もなくの話だが、条野採菊(当時山々亭有人)、谷村要助(茶道家、後の南新二)両人が上野山下の道具屋へ寄っていると、表を画師の芳幾と一中節の宇治紫文とが通ったので「今ごろ画工や一中節など