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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
根津の風流劇場
一方「酒屋」などを聴いても後半のさわり、待ってましたというところをさらさらと平々淡々、見台一つたたかずただの本を読むように語って行く。それでも聴衆は煙に巻かれてジーッと耳をすましたから妙だ。
根津の風流劇場
芸妓連の総見にびっくり
根津遊廓が洲崎へ移ったのは明治二十一年。貸座敷が取り払われて急にがらんとした根津の街、絃歌の賑わいも夢となって火の消えたような有様。今と違って交通不便の場所柄、容易には復興せず、空しく一、二年を過ぎた二十三、四年頃、土地繁昌の一助にもと、引け跡の空地へできたのが小劇場の藍染座。
場所は旧大八幡楼(後に料理店神泉亭)の横を東へ曲って、一丁ばかり町並のそろわぬ原中の一軒建て、向う側にこれもただ一軒の座付茶屋、左右は草ぼうぼう、座の裏手は一面の麦畑に菜の花がところどころ。これでも開場当時は多少の客足も引いたが、足場は悪し、人気役者はいず、とかく不入りで興行も休みがち、毎夜頼まれて泊りに行った植木屋の話、「そろそろ寝ていて虫の声が聞かれます、誠に風流な芝居小屋ですよ」。
立ち腐れにもならず、この間三、四年相立ち申し候。当時川上一座と別れて一本立ちの伊井蓉峰、流れ流れてこの藍染座に一時籠城。