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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
永代下流の白魚船
と送り出す女将の声を後に、乗り込む屋根船、二人船頭で景気よく浮かれだし、向島の水神あたりへ遠出の遊び。
三十間堀に大村屋、兵庫屋、新橋に山崎屋、柳橋に日野屋、伊豆屋、そのほか築地、鉄砲洲、山谷堀などに聞えた遊船宿。総じて船宿の女将と云えば粋な年増の標本、料理屋待合と違った味で、客あしらいから芸者の扱い、船頭衆の繰回しまでおかみ一手の采配、世辞もよく才気もあり、愛嬌家業の天才肌、薄べり抱えて桟橋に立った姿は、豊国英泉の錦絵そのまま。
だが追い追いスピード時代となって、世辞や愛嬌では持ち切れず、大正以来、川岸に屋根船の姿も消え、遊船宿も看板を掛け替えてただの料理屋式、いわゆる更生の意気で転向したのもあり、気のないのはとっくに廃業、さしも両国名物の川開きにも荷足や伝馬、ダルマ船まで幅を利かせ、上流客は銀行会社の招待連と束になって料理屋のお二階、門前は自動車の押合いに暑苦しい時代風景、花火も気なしにただポンポン。
永代下流の白魚船
大川筋に悠長な鰻掻き
深川の永代橋が洋風の木橋となったのは明治の八年。幅四間長さ百四間、東西の大柱は八角形の石造、欄干は薄藍色のペンキ塗り、木鉄混淆の新式橋梁として当時は五大橋の筆頭、文化の昔、八幡の祭礼に墜落した以来の貧弱な木橋と違って、開化の東京に自慢の一つ。