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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
年の市繁昌くらべ
体裁ばかりで皮が厚く水気のない九年母、これは芝居の水菓子に幅を利かしたが誰しも閉口、その外、すもも、あんず、はたんきょうなど士君子は顧みない。網入りの金柑、口の曲るほど酸っぱいのを子供は喜んでチュウチュウ吸った。
年の市繁昌くらべ
死人まで出たその頃の人出
入らっしゃい入らっしゃいと景気のいい呼び声、迎春の支度は年の市に限ったもの。年中行事の打止めとしてその魁は深川の八幡、お飾り物は早過ぎるが、この市で羽子板はじめ市の売物の相場がきまる。いわば景気の瀬踏みとして際物の初商い、人出はさほどでもないが、木場や佐賀町を控えて相当の賑わい、年の暮の気分はこの市が序開き。
なんといってもお次の浅草が人気第一、ここは東京中の客が集まる。今のようにデパートの割込みはなし、羽子板は毎年浅草でと、堅気のお嬢さんや花柳界のキレイどこが押し寄せて、仁王門前の羽子板店は大繁昌。門を入って左へ観音さまの堂脇から淡島の付近一帯、宮師、注連飾り、桶類、金物類そのほかの店が隙間なく、高張や長提灯の数を列ねて、耳も聾するばかりの呼び声、ことに明治の中頃の景気は格別、江戸時代に輪をかけてすばらしい人出、山と買い込んだ品物を両手に高くさし上げてやっと通るほどの大骨折り。