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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
線上閱讀山本 笑月《明治世相百話(めいじせそうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 128,862 字 · 251 頁
木挽町三丁目の空地(今の歌舞伎座付近)で天幕張りの興行、物珍しさに前景気は素敵。
拳闘がスパーラー、相撲がレスラー、土俵はむろん床張りで十畳ばかりの広さ、私は拳闘の方はよく覚えぬが、なにしろ日本での初物、ことに名も知れぬ外人同士の試合、まず判らずじまい。相撲も結局同じことだが、これは両力士が同体に倒れながら上になり下になり、床へ肩を押し付けるのが最後の勝負とあって、双方肩を気にしながら上を下へと揉み合う有様はむしろ柔道式、華々しい日本の相撲を見馴れた目には、ただもぐもぐと埒の明かぬこと夥しい。
やっと相手を取っちめて肩が床につくと審判が呼子の笛、「かたがつく」とはこのことかと見物一同ほっと息。次もまた同じくもぐもぐ、見る方も肩が張って寝ころびたくなる。第一、声援したくも名は知らず、そのうえ一勝負に二、三十分もかかるので好い加減くさくさ、気の短い東京ッ子には不評判で、私の見た日も桟敷はガラガラ、幾日も打たずに引き揚げた。後にも先にも西洋相撲はこの一回きりだが、拳闘は近来大流行、全く時代が違う。
ウエブスター一人は後へ残って、その偉大な体格を呼び物に日本力士と合併、当時秋葉の原で興行の小錦剣山等の花相撲へ出場、力量は凄いが手業が鈍いので、幕内の中堅あたりにはよくなめられた。