Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
一月十五日
安積の春の景色を思い、行きたくなった。此春には、Aの父が来られるだろうし夏は、Fに行き、さらい年の春にでも三日四日行きたい。囲りの人さえ居なければいい処だ。
夜、七時頃から雪が降り始め、空をすっかりくもらせる程しげくもないので、町中の灯をてり返し空が桃色に赤らんで見える。月夜だとあたたかそうな人家の灯が却って、上気せるように見え、さすあかりで降りたての雪がキラキラ光って居るのが美しい。
一月十五日(日曜)曇
朝起きて見ると五寸ほども雪が積って居る。
雪の朝は、木造のかよわい日本の家も土佐絵風な美をあらわす。
さむし。
源氏を皆よむ。元と違って、種々な点で面白い。何と云う女性の異って来たことか!
自分などには信じられない気もするが、女心で察し見れば、又それもうなずかれる。
式部自身はどんな生活をして来たのだろう。ああやって極く数の少ない上流人が栄華をきわめ、貧者は、全く一燈を仏の前にささげるのさえ辛々だったのだろう。
物の怪、死人の葬り方。さすが物語りの時代だ。
今日は「午市」やすみ。
種々な意味で考え、人生は、或は自然は、力あるもの、生くる価値あるものを生かすように出来て居ると思う。