Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
一月五日
かきなおさなければ、活字に出来まいと云うので、Aが、書きなおして下さると云う。自分は、彼の仕事があり、それに時間が足りないのに私のをして貰うことはいやに思う。けれども、彼がよいと云うのだからよいではないかと、いやな声を出すから、云われるままにする。
久米氏の志賀直哉氏評、よき純な芸術には必ず流露感があり、それが詩であり芸術である、と云うのをよみ、実にもと思う。
一体、自分は志賀氏をそれほど偉大な芸術家だとは思われない。まれに書きひっそりと生活して居るから、一種のただありかたさに涙こぼるる、なのではないか。
さむく、手かじかみ、此もよく書けない。
仕事として春から初冬のよいことが分った。真冬は堪らない。
こおった夜に聞える近い半鐘、余韻のないカンカンカンカンと云う淋しい音。
一月五日(木曜)晴
実に寒い。臥床の中にうすら寒さで目があくと、夜具の襟から息が白く見える。冬はよいのだけれども、日本の建物がいやだ。
一旦ちぢんでしまった頭は、よほど経たないと暖く血管を充実させない。A岩波に地図を持って行く。
とりのことを思い自分のことを思うと、実に世の中の親子の関係にもさまざまないきさつと差異があるものと思わずには居られない。