Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
二月四日
午後しとしとと降って居た雨はいつかあがり、もやが一杯にこめ、光りがなく、いくら眼鏡を拭ききよめてもよく物が見えないような心持がする天気になった。
倉田さんの或プロテストをよみ、種々考える。第一、彼が、作品に使って居る会話は、カルチュアと観念でリファインしたものであると自信されて居るが、自分には、わざとらしく、人間が話すのは、あんなこしらえた文句でなくても、心を打つ美しいものがあると思うのは、何故か。
父の心配について、あの若者を、説明した或部分は成程とうなずけるけれども、あのまま読んだのでは決して、胸に来る愛すべきものなどはなかった。其処がむずかしいと思う。説明があとから来たので、そうか、そう云えば、では困る。
二月四日(土曜)晴 暖
○風が強く吹く、午後一時半頃Aに須田町で会い、学習院の門衛が葉書をよこしたことを話し、急に青山に行った。四丁目の停留場で長いこと待ち合わせ、大きな質屋の看板のかかったところから入って見たら、なかでコツコツかざり職の何かして居る見るかげもない家だ。それで五十五円、敷六月と云う、おどろいて失望し、四時頃帰るのに、がっかりしてしまった。