Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

四月二日

すっかり結末をつけ、しんから優待したいと云われると父が話される。その心持の真実さは判るし、自分達も、母の性格のディフェクトを思わず、子としての特権(?)を利用しすぎた傾向が無自覚にしろあったと思ったから、行届かない点は、Aにもよく話し、わからせ、あしたでも来ましょうと云った。

母子の関係はむずかしい。自分に人生観と目標仕事がある丈むずかしい。国男さんが、行きに来て一緒に行き、かえりには又オートバイで送って呉れた。

国男さんの試験はよく出来たらしい。父のおかげでフェボラブルな条件もあろう。入れば何より。

四月二日(日曜)晴

午後からAと林町へ行く。二人であの家の玄関を入るのは久しぶりのことである。Aは、種々な感が胸を圧するのか陰気にだまり込んで、長い電車の中でろくに口も利かなかった。三人母、彼、父と西洋間に置いて、自分が食堂でおゆきに会い行って見ると、彼が涙をこぼして何か云って居る。父もハンケチを出して居られる。母ばかりは上気したような顔色をし眼を輝やかせ、椅子にかけた足の爪先を神経的に動かし乍ら、強いて動じない風で理屈を云われる。自分は、彼女の口ばかりで云って居るような理屈や落付きと真剣さのない眼の絶間ない動きに深い不快を覚えた。