Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
十月二十二日
十月二十三日
十月二十二日(日曜)晴 昨日よりやや寒し
風景は、かすかに霧がかかったとかからないとですっかり心持が異う。遠近がぼやけ、近くの色彩、高低が変化なくなったのである。梅の梢などは一日一日と紅くなる。
おさとさんが、今日会社へかえり、河崎氏のところへおいて貰うことをきくことにする。
春、誰も居ないのに、庭の牡丹が満咲き、休みでかえったおさとさんばかりが独りで石に腰かけながめたとき、美しい淋しい情景を描いた。三本ある大きな古い牡丹。自然の謙譲な真剣さを感じる。
祖母上は、此方に来てから毎日、二階にあがり戸棚をあけて、鍋壺のこと、桶のことに、寸暇もないほど心を労して居る。傍で見て居ると、何処にも、精神の輝きがなく、小さい堅そうな頭の中一杯、台所道具でつまりそれに Haunt されて居るように感じられる。気の毒と、浅間しさ。
あの祖母と、理論的ではあってもやはり、ぬけ道のない世間苦になやまされて居る母との血をうけ、自分のうちにもああ云う下賤なところがあるかと、口をきくのも我からいやに感じた。
十月二十三日(月曜)晴 暖
家へかえりたし。かえりたいけれども、祖母上がもう少し落付いてからでないと、一緒に来た自分の義務がつくされないような心持がする。