Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
八月二十日
一杯で部屋がない。暫く待って呉れと云って、帳場のわきに置かれる。だんだん時が経つままに、自分は、辛棒がならなくなった。他の客と、合部屋か何かで、気がねをしいしい二週間も居るのでは、これ丈で病気になってしまう。仕方がないから安積にでも行きだけに行こうかときめ、番頭に話すと、今までのどうにかなる、と云う態度は、どうにかしよう、となり、一先ず番頭の家の茶の間に入って呉れと云う。明朝、小林区署の官舎で、かりてあるのがあく、そこへ行けば不自由でも、湯はあり、部屋は八畳でゆっくりして居るから、と云うのである。行って見ると、心持のよい処なのでそうときめ、かなめ焼とか云うやきもの土産を売って居る店の奥の茶の間につれて行かれる。がっかりし、絶えず、ひとに見て居られ、落付かず、疲れ、眠り不足なのとで、泣きたいような心持がした。夜はのみにせめられ、電気はつけっぱなしだし、ひどいことなりけり。
八月二十日(日曜)
何でも話す。それは、非常なことを思って居ない証挙だ。此言葉は真実であると思う。斯うやってAと二人で温泉に来、しずかなところで、二人きりで居るのは、いかほど幸福に見え、彼は事実幸福であり、又私も或程度の幸福はいなめない。