Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

六月二十一日

青山から上野までの往復はかなりこたえる。つかれ、今日は買物に出るのもいや。午後から母上の来られると云うのを幸、やすみ、うちで日記をかき、ものをよむ。

うちに居るのはよし。外に働くものが多く粗雑な頭脳の所有者となるに無理はない。肉体の活動と、思想の活動とは一致しない。どっちかがどっちかを食う。

午後母上来、千歳会がおそくなったと云って五時頃来られる。いろいろの話、A、六時頃かえる。田部さんが勅任官待遇になったと云って皆さわいで居て、あんなことをやかましく云う処に居るのかと思うと、つくづくいやになったと云って変な顔をして居る。純粋にいやなら、始めから入らないがよし。自分には、彼独特の理論化された嫉妬が感じられ、不快になった。母上、本の代にでもしろと云って、三十円置いていらっしゃる。A夜出て行き、まつのために蚊帳、ステーショナリー等買って来る。自分は涙が出た。まして、あのしわいAが、書簡箋は、上にゴッホの絵のついた今まで買ったこともないようなものを買って来て居る。いやな、淋しい気がした。「百合ちゃんの方へとってお置き、急に金持ちになっていいね」と云う風に、どうして云って呉れないのだろう。