Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
十月二十五日
「だれもわれのものではないから、かまわないんだぞ」と見るものから苦を引き出して居られる。あわれなり。何とか少し信心でもし、あの小さい白髪の頭に光が差さなくては、まるで、人間でないような気がする。どうにかし安心したいと云う要求もないらしい。昔の人なら因業なおうな、と云うところだろう。あわれ。林町にああやって居る心の底には此那毒を潜ませて居るかと恐ろし、消えぬ怨みのようなもの。
二三日前から不眠がひどくなり、困る。
庭から苺を切って、コップにさす。指に芳しいうつり香がして、心地よろし。秋気爽やかと云う感。
昨夜二時頃、天井を見ながら、一つの小さい随筆の材料を思いあてる。まとめ、先ず『女性』の責をはたそう。
人として、正直に、誠実を持ち、楽しく暮そうとすることは云うに易く、行うにかたく、仕事などと云うものにとらわれ(意識を)すぎて却って仕事を出来なくする。
十月二十五日(水曜)曇
十一時すぎの急行で帰京、ステーションに早くつきすぎ待って居る間、変な男が、つきまとうような風を見せ、大いに不安を感じた。議会開会が近づいて来た故か、同じ車室に向いあって四五人の陣笠連がのり合わせた。