Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
十一月十六日
自分も涙せきあえぬ気持になった。
実に気の毒、死んだ人も、死なれた人も。印象の強い二つの葬式――一つは本野氏一つは此、関氏の。人生の二つの相をまざまざと見た。実に真心を持ち得る葬送であった。
墓地より茶屋への帰途、鑑子氏のイタリー語の先生なる青年が「鑑子さん、帯は誰がしめたの?」「自分よ」「少し右が下りすぎて居るようだな。着物はうまく体について居るけれども」と云う愚劣なる発言をなす。親が死んだのに誰が帯の形を云々するか! いやな若者。
十一月十六日(木曜)雨
しょびしょびと雨が降り、なかなか寒くなって来た。火鉢を入る。
きのうは、七五三の祝日と見え、ろくに眼鼻立ちもかたまらないような小さい子供に、うんと振袖や何かを着かざらせ、往来を歩いて居るのを見た。中の以上の階級はあまり見えず、却って小さい商人の子・妻と云うようなものらしいのが多く見える。智識階級はもう此無意味なのを知って居、興味を持たないのだろう。一般、教育などに無頓着な一部の人間が、今だに此恐るべき浪費をあえてして居る。
一昨日のつづきを書き一先ず終りまでゆく。が或蕪雑さに心付いて夜書なおし始める。