Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

十二月八日

寺沢氏来。くわしく見、とにかく肺にそれ程重大なディフェクトがあるとは思われずと云う。只右の肩、肺尖の音が少しわるいから、鎌倉の養生院に居る知人に話して、見させようと云うことになる。自分も見て貰う、何ともなし。ほんとうに救われた心持がした。冷静に考えて見れば、まだ全然決定したわけではなく、その人に見て貰ったら、一年位休養しなければならないことになるかも知れない。しかも当座の安心が永久につづくもののように、ほっとした心持になるのだ。あわれな、又愛らしいものと思う。とにかく一週間の休養を持つことにする。

十二月八日(金曜)晴

今朝は手洗鉢にあつい氷が張って居た由。夕刊を見ると零下幾度とか云うことだ。昨夜A、床につこうとして身動きをする拍子にまた相当に咯血。どこから出るのかわからないとは云うものの肺だろう。精神衝動でA手足がつめたくなり、体をふるわせる。湯たんぽを入れるやら何やらさわいだ。それでも十二時近くなってから私より先にあん眠し、いびきをかき始めた。それで、今日はかなり用心すると同時に失望したらしい。自分には、若しAがそうときまり仮令一年でも休養しなければならないとなったら、どうして生活を保って行くか、それが大きな疑問になって来た。