Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
四月五日
芸術に志すものは信仰を以てそれ自体芸術となるだけの精進、或は努力が必然であるのではないか。
いろいろなことを思う。母の自分の仕事に対する心持、又、Aの心持。それが、どうも自分には純粋芸術の立場ではないように思われる。いつか、その見解を異にする点で、根本的な衝突が起るのではないかと云うような心持がする。
午後から林町へ行く。今夜、父を呼ぶと云うので手伝いかたがた早めに出かける。電車の込むことおびただし。父上は相変らず暖く彼等を迎えて下すった。母上は僅かの自負と皮肉とを含んで。祖母はうれしそうに見えた。
同胞達もはにかまず、スエ子まで珍らしく仲間に入って団欒する。帰って来たら安心して吻っとした。自分には、Aの父がいやに思われるのもいやなら、彼等林町の一族がいやに思われるのも辛いのだ。笹川春雄氏に会う。伝説の時代をかえして貰い背景を描くと云う男女蔵達の新舞踊を話す。
四月五日(水曜)晴
朝、泉岳寺へ行こうと云う。さほど興味もないが行こうと云うのでついて出かける。丁度一ヵ月ばかりの祭日にあたって居るとか、だらだら坂を上ったつき当りの万松山と云う額の出た寺内には一杯露店が出、大石内蔵助良雄と云う新しい銅像が俗悪をきわめて居る。