Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
二
「後三国志」こそは、玄徳の遺孤を奉じて、五丈原頭に倒れる日まで忠涙義血に生涯した諸葛孔明が中心となるものである。出師の表を読んで泣かざるものは男児に非ずとさえ古来われわれの祖先もいっている。誤りなく彼も東洋の人である。以て今日の日本において、この新釈を書く意義を筆者も信念するものである。ねがわくは読者もその意義を読んで、常に同根同生の戦乱や権変に禍いさるる華民の友国に寄する理解と関心の一資ともしていただきたい。
二
孔明の兄、諸葛瑾は、いつも苦しい立場にあり、またいつも辛い使いにばかり向けられた。
温厚にして博識、彼も一かどの人物だったが余りにずば抜けている弟孔明の偉さに消されて、とかく彼の名も振わず、その存在も忘れられ勝ちである。
何しろ自分は呉に仕え、弟の孔明は蜀にいるのだ。呉侯を始め呉の将士から疑われもせず、呉の陣中にいるだけでも、彼がいかに正直で節操のある人物かということはわかる。
――にもかかわらず、彼が用いられたり、使者として選ばれる時は、対蜀外交の策謀とか、関羽を味方へ抱き込む工作とか、どっちにしても、間接に肉親へ弓を引くような苦しいそして至難な役目をいいつかる場合にのみ限られていた。