Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
毒泉
一
孔明はにこと笑って、房中へ姿をかくした。
毒泉
一
孟獲は自陣に帰った。だが数日はぼんやり考えこんでばかりいる。弟の孟優が、
「兄貴、とても孔明にはかなわないから、いっそ降参したらどうかね」
と意見すると、彼は俄然、魂が入ったようにくわっと眼をむいた。
「ばかをぬかせ。貴様までそんなことをいうか。二度とぬかすと承知しねえぞ」
「だって兄貴は、この頃ぼんやり鬱ぎこんでいるよ」
「俺が四度も生擒られたのは、計略に負けたのだ。だから今度は、俺のほうから孔明を計略にかけてやろうと思って、ぐっと智慧をしぼっているところだ」
「南蛮国での智慧者ならばあの朶思王だがなあ」
「そうだ。なぜ俺は朶思王を思い出さなかったろう。弟、朶思王のところへ使いに行ってくれ」
急に孟優に旨をふくめて、禿龍洞の朶思王へ遣った。
孟獲からの頼みを聞くと、朶思王は一議に及ばず、洞兵を集合して、蛮王孟獲を自領に迎えた。そして孟獲から度重なる敗戦の状と、孔明の智謀に長じていることを聞くと、朶思王は噴笑して、
「心配ない心配ない。孟王、お心安く思わるるがよい。わが洞界は不落の嶮要、ここに兵をお集めあれば、おそらく孔明といえど、蜀軍の将士たりと、生きて還ることはできない」