Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

八月二十一日

しかし心の底にある自分の深い考、或変化に赴こうとする潜んだ力は、ちゃんと、沈黙のうちに発育して行く。

Aの細かい、サウンドでない、ちっとも精神のない生活は、自分に淋しい心を抱かせる。

八月二十一日(月曜)晴 驟雨

朝六時頃目を覚した。此辺で一ついけないことは、朝ゆっくりと眠って居られず、うんと早く、他とのつり合のために起きなければならないことだ。なんとなくむっつりして居ると、Aが大丸温泉へ行くと云う。ひとりで行くから待って居ないかと云い、自分も一寸その心持になったが、長い退屈な時を思うと独居する気にもなれず、急について行く。なかなか難儀だった。やっとつき、一服すると、今度は噴火口まで延そうと云う。却って、大丸まで二里の山路を歩いたので行けた。然し、此方の坂路から、遠く長く、彼方の山の腹を縫う細道を見たらうんざりした。

硫黄のまっ黄色の鮮やかなこと、それが周囲の緑色の対照で何と云う美しさに見えるか。あんな純粋な色を絵筆につけられたら、一はけで、目もさめるようなトーンが出るだろう。噴火口からは、地うなりを立て、もうもうと瓦斯をはき、黄色いところへ、二条、三条、血のような赤色を流した硫黄があふれ出る。