Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

一月二十九日

自分が産んだら、もう一人の大人で、一箇の人間で、彼自身の道を持って居る――然し、母親が、赤坊を自分のものと感じる心持、全心を集注させられる心持、子を庇って、良人を敵にする心持――此で、日本人と外国人と心持が異って居るのではないだろうか。Ruling passion. Van Dyke。面白い、然し、ゴルスワージーなどのものから見ると、ブィブィッドを欠く。

夜、藤沢の細君、二度も死のうとしたと云うこと、仕事をしたてに借金とりが来、表がコトリと云うと、二人でお前ゆけ、お前ゆけと云う。それが心配で機械で傷をすると云う話。

一月二十九日(日曜)曇

昨夜中から、A、絶間なく下痢し、今朝はへとへとになって、絶食、何が悪かったのか分らない。大したことではなさそうだからよいとしても、自分は、こけた彼の頬、土気色の額、蒼白い唇を見ながらつい種々のことを空想した。つまり彼がずっと床につくような病人になったら自分達はどうして行くのだろうと云うことだ。自分の収入は、決してならし月二百円はない。二百円でも健康でやっとなのだから、いざとなったら自分は矢張り林町へなり何なりたよらなければならないのかと思うと不甲斐ない頼りない気がした。