Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
二月八日
そして帰って見たら、せっせと、履歴書を書いて居る。今朝藤岡さんの夫人が来られ、明日入用だから出して呉れと云われたのだそうだ。食事もしないで朝から飛び廻って居たと見え、神経質になり、せかせかして居る。
「貧しき人々の群」をまとめる前、うんと書きためてあるものを見ると、ものとしては三文の価値なくとも、すてがたい心持がした。まるでめちゃで、分らず、道を見つけようとして手あたり次第に藪を分けて居ると云う形、今度はまずやっと小道に出、足元に気をつけ、景色を見、一歩一歩と行く心持。Doll's House は、日本でやかましく云うほどイブセンのけっさくとは思わない。ノラの性格が、自覚前と、後と、あまり断片のように思われる。あのことで、とにかく事実に於て、カタストロフェがすんでから、人格的にあれ丈の破壊をあえてするのには、それまでの良人に対する態度が、何だか、あまり、心から無邪気すぎ――無反省すぎはしないか。
ああ云う性格の人が、ああ云うはげしさで、自覚したとしたら、我々の目から見ると、一種の激情とほか思えないような幼稚さがある。
二月八日(水曜)雨
○又びしょびしょ雨で陰気な日だ。