Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
三月二十日
が、もう一つは、仕事をしないで居ると、じっと自分の生活、人間の見かた、理想とを相てらし、省察するようになるのだ。
仕事を只せかせかとして考を深く自分について掘り下げないことは、だらだらを伴う。
Aが、進歩的でなく、もうきまり、まとまり、ある丈の力を使って、納って生活して居る、又そう云う心持で居るのが、自分にはひどく苦痛になって来た。Aによって開発される望はない。只彼にあたって、角力が羽目板にぶっつかるように、ぶつかって自分をきたえるほかない。いろいろの意味で、自分がやわであったことを痛感する。自分が理想家で、男にのろくて、眼が据って居なかったから、Aをうんと高く買ったのだ。彼からは離れ得る。しかし、それで自分の性格的な男にのろいのはうちかてたことになるか?
三月二十日(月曜)曇
先日来の苦しい心持が鎮まり今朝は、落付いた気分になった。何が此転換をさせたのか。或女が、結婚した男に不満を感じる。もう別になりたい程つきつめる。而も、その男と離れてから、自分が、又心弱く他の男との交渉に入りはしまいか、それを思うと我ながらいやになる。同じ別れるなら、自分が、もうすっかり異性から独立した自由人となり、どんなことがあってもつっかり、支配されないようになってからと思う。