Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
物干し竿なんぞも、本当は、いけないのであるが、先へ、ひょいと風呂敷を引っかけて、
「へい、風呂敷包みでございます」
といえば、役人は、ニヤリと笑って通したという。明治も三十年代になってからであるが、桜田門の桝形に、甘酒屋が出ていたのを私は知っている。
指で、絵図面をたどりながら、平次はこの道を、こう歩かせる。八五郎の住居は、向柳原だから、浅草見附(浅草橋)を、こっちへ渡る。柳原の土手は、辻斬の名所で、そしてまた、辻君(パンパン)のホームグラウンドでもある。明治以後は、古着屋の本場になって、私は一高へ入学すると、ここで、吊るしんぼの制服を買った。川岸の柳に紐を渡して、広重や国芳や国周が、一枚一銭から五銭くらいで売られていた。
浅草橋の高札場を、私は幾度も小説に書いた。町々には、木戸があり、自身番があり、真夜中でも手をあげればタクシーが集まってくる現代とは、わけが違う。芝居の八百屋お七は、火の見やぐらの半鐘で、ようやく、町木戸をあけさせたのである。
両国の川開きは、広重が三十枚近くも描き残しているし、橋のたもとは見世物小屋だ。平次の恋女房のお静がいたのも、ここの水茶屋だったのである。