Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

名市長

ということが、一つの触れこみになっていたくらいだから、この点では、大いに博士と共鳴した。劇壇に新風を吹きこむのは、結局は劇作家の質だという話になって、

「立派な劇作家が一向に現われないというけれど、そんなら、政界や学界や思想界はどうですか。五十歩百歩じゃ、ないですか」

皮肉でなしに、はっきりと言い切って、からからと笑った。晴れた夏空のような、すがすがしさだった。戦後の翻訳界を博士に見せたら何というだろうかと、このごろ、ひそかに考えている。

名市長

都知事選挙も東氏の当選で一段落となったが、歴代の東京市長の中で、私が特に思い出すのは、名市長といわれた奥田義人氏と、名物市長の田尻稲次郎氏とである。

奥田市長は、豆腐がすきで、膳の上は何から何まで、しかも三度三度、豆腐でなければ気が済まぬというのと、夏になれば童心に返って、モチ竿を振り回してセミ捕りをするのと、そのくらいしか覚えていないが、田尻市長の方は、もっとおもしろかった。

小石川の金富坂を上がって、貧弱な素木の門をはいると、玄関までの十数間が両側に丸太で棚を組んで、頭の上まで、南瓜がぶらさがっている。