Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

皇太子さまと一時間半

初舞台は溜池のローヤル館で、やがて浅草の世界館へ出るころは、ひとかどの顔になっていた。早大を二年まで行ったので、説明に英語をはさんだりして、芸名山田夢男といえば、ちょっとばかり売れッ児だった。

ある日私を訪ねてきて、

「実はキミに頼みがあるんだ。英語の字幕は、どうにか分るが、フランスものに困るんだ。ひとつ翻訳してくれよ」

当時、私は仏法科にいた。だから、これも勉強だと、浅草へ通ったわけなのである。むろん、相手が山田敬一……いや、山田夢男では、翻訳料などあてにしないが、それでも、たまに夕飯くらいはおごってくれるかと思っていると、散々働かせたあとで、彼はいったものである。

「ボクの英語もうまくないが、キミのフランス語も下手糞だねえ」

皇太子さまと一時間半

今日まで十年間、このことだけは、筆にも口にも出さないで来たけれど、もう、書いてもよいだろう。それは、皇太子さまに、音楽のお話を申し上げたときのことである。

中学以来の親友、金田一京助博士は何時だったかラジオの対談で「キミは、実に、思う通りの自由な生活をしてきたらしい」と、ほめるのか、非難するのか、分らぬことをいったことがある。