Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

紅葉の手紙

その後、煙草代に困らないようになっても、再びヨリを戻そうとしなかったのは、大変よかったと思っている。

紅葉の手紙

故人の筆蹟を集めるなら手紙に限る。文筆家なら原稿もおもしろい。色紙や短冊は、よそゆきの字だから、大したことはない。

石川啄木の手紙がお茶の水の古書展で、二万四千円の正札がついていたのは十年ほども前のことだ。今ではどのくらいするものか。私自身は、二十七本持っていたが、全部、私宛てのものである。

買ったり、もらったりしたコレクションには、小泉八雲、樋口一葉、夏目漱石、尾崎紅葉、正岡子規、島崎藤村、高浜虚子、巌谷小波などというのが主なものだ。

紅葉の手紙は七、八通持っているが、その中に、素晴らしいのが一通ある。巌谷小波にあてたもので、

「……昨夜、某所に泊ってしまったが、それが分ってはまずいから、キミのところに泊ったことにしておいてもらいたい。夜更けまで一緒にのんで、そのままつぶれてしまったということにでもしておいてくれ」

という意味の文面である。硯友社の大御所、紅葉先生。小波氏の家に泊ったことにして、さてその一夜を、本当は、どこにいたのであろうか。