Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

一高時代

吉原土手のサクラ肉屋も舞台になる。そういう時に私はなんということなく、雪の盛岡郊外の、ゆれるあかりを思い出す。

一高時代

私が陸上選手になって、オリンピックへ出るといったら、誰だって腹をかかえて笑うだろう。しかし、もう少しのことで、一高を代表する中距離選手になっていたかも知れないのである。いや全く笑いごとではない。

当時の学習院には三島選手がいたし、一高には長浜哲三郎君がいた。黎明期の野球が、そうであったように、陸上競技も、一高と学習院とが対立し、それは、三島、長浜の対立でもあった。

三島選手は、のちに高等師範の金栗選手と共にストックホルムに派遣され、我国最初のオリンピック選手たる栄誉をになったけれど、長浜選手も、決してそれに劣るものでない。学習院を破るために、涙ぐましい精進をつづけると共に、学校内では後継者の養成に真剣な努力をはらっていた。

しかし、後継者といっても、組織的に、中等学校からスカウトしてくるというようなわけにはゆかない。新入学生の中から、足腰の強そうなのを物色して、

「どうだ。お前、駆けっこの選手になってみないか」

と、仲間に入れるほかはない。