Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
緑茶の味
客に逢ったため、そのあと、仕事が出来ないなどというのは、わがままでなければ、気力の弱さであり、そんなヤワな神経で、ロクなものの書けるわけがない。
私は、どんな忙しい最中でも、古い友人のためには、喜んで一時間を割いてきた。そのため、眠る時間が、一時間おそくなったとしても、それは、いとうところでない。ただし、この二、三年来は、健康がいうことをきかなくなって、不本意ながら御無礼することのあるのは残念だ。
また、物もらい。押し売り。押し借りは、客の数にはいらない。これは、大いに撃退して、よろしい。
緑茶の味
中学生の頃、盛岡の町のある旧家へ、半年ばかり間借りしたことがある。この家の主は、南部二十万石の藩主の一門とかいうことで、南部なにがしと称する上品なお婆さんだった。
「若い頃は、奥に仕えておりました」
というこの人は、山村座事件の絵島でもなく、先代萩の政岡でもなく、むしろ、安政大獄の老女姉小路を思わせる端麗で物静かな面差しをしていた。
障子の桟に、ほこりもとどめず、庭には涼しく打ち水をして、三度の食前には、しずかにお茶をたしなんでいた。お茶といっても、茶碗の底をかき回して、蛙の眼玉を製造するあの面倒な抹茶ではない。