Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
時事川柳(一)
時事川柳(一)
大正六年だったと思う。私は、新聞社の社会部長だった。
ちょうど、新聞社の販売競争が、火に油をそそぎはじめたころで、どこの社でも新しい企画に知恵をしぼり合っていた。
「何か変った企画はないものだろうか」
そこで、私は、言下に答えた。
「川柳欄をつくったらどうだ」
「川柳?」
編集の幹部たちは、妙な顔をした。あんな、古くさいもので、読者がついてくるだろうか、というのである。しかし、私は、自信があったから、
「決して、川柳は古くない。新しい人が、新しいセンスで作りはじめたら、これは、大きな流行になる」
「しかし、差し当り、どうなのだ。欄を作った。一句も集まらない。というのでは、恥さらしになる」
「そんな心配は、絶対にない」
「誰が、選をする?」
「むろん、私が引受ける」
「賞品は?」
「いくらか出してもらいたい。賞品よりも賞金がよかろう」
賞金は、天、地、人、の三席で、天が五十銭、地が三十銭、人が二十銭、この定価表はその後、ずっと後年まで、据え置きだったはずである。
「題を出すのか」
「題なんぞない。時事川柳ということにする。今日の朝刊、あるいは夕刊に出た事件を、すぐに作って投稿してもらう。