Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
人間木村義雄
私は鈴木委員長(当時は書記長だったかも知れない)が、本当に平次を読んでくれたかどうか知らない。青年時代の印象から言えば政治家よりも文学者になりそうに思えた。銭形平次を読むよりも、シェークスピアか、ツルゲネーフの愛読者だったかも知れない。しかし、深夜の電話口で、すっかり、はずみ切って、「僕も愛読者の一人だよ」といってくれる心根は、まことにうれしいではないか。
この点で、芦田均君は、少々違う。ある席上で彼は言った。
「野村君の銭形平次を、私は一度も読まないが、私の家内は非常に愛読している様子である……」
ウソも方便の、お世辞派がはびこる中にあって、この無技巧の正直は、これは、これで、なかなか結構なものである。
人間木村義雄
新聞社の一室に、十年あまりも机をならべて、その人柄に感心したのが、将棋の木村名人である。
「あの、幾百篇の銭形平次は、どうやって思いつくのですか」
何かの折りに、名人は、こう言った。
「あんたが、詰め将棋をこさえるようなものさ」
私は、こういって、いっぱし、名人をやりこめたつもりであったが、冷静に考えてみると、これは答えになっていないかも知れない。