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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

吉田茂と銭形平次

印材や書体はその上でのことだ。

吉田茂と銭形平次

二十世紀のはじめごろ、ドイツ楽壇の女王といえば、ジェラルディン・ファーラーがいた。若くて美しいこの人気歌手は、時の皇太子(のちのカイゼル)と浮名が立った。やがて、うわさも下火になったころ新聞記者団との会見で、「本当はどうだったのか」と問いつめられて、

「ふ、ふ、ふ。とにかく、宣伝には、なったわね」

と、答えたという。これは、有名な話である。

私は、銭形平次捕物控を、時の首相の吉田さんが、本当に読んでくれたかどうか知らない。しかし、ファーラーと同じ感謝を、吉田さんに捧げては、いけないだろうか。

吉田さんとしても、文学青年的なむずかしい本の名前をあげたとしたら、青白きインテリは喜んだかも知れないが、捕物帳だよと答えたほどに、大衆の人気は沸かなかったに違いない。迷惑であったかも知れないが、結果においてマイナスではなかったと思う。

そのことがあってしばらくして、ある会の席で、吉田さんに逢った。

「お逢いするまでは、もっと、こわい方かと思っておりました」

と、家内が遠慮のないことをいうと、

「ほら、この通り、ちっともこわくないでしょう」