Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
神田明神下
と、気がついたのだったか。その辺のところは、よく覚えていない。
神田明神下
銭形平次の住まいは……。
神田明神の崖下の、ケチな長屋。現在でいうなら、千代田区神田台所町……昔は、敬称をつけて、お台所町と呼んだ。突き当りに共同井戸があって、ドブ板はすこし腐って路地には白犬がねそべっている。
恋女房のお静は、娘気のうせない、はにかみやで、六畳ふたまに、入口が二畳、それにお勝手というせまい家は、ピカピカに磨き立てられて、かげろうが立ちそうだ。もっとも、お静の世話女房は、たしか第十話あたりからで、最初は、まだ両国の水茶屋の看板娘だったはずだ。
子供はないが、年中ピイピイの暮し向きで、家賃は三つたまっているが、大屋は、人がいいから、あまり文句をいわない。酒量は大したことはないが、煙草は、尻から煙が出るほど吸う。年は、何時までたっても三十一。お静は八つ違いの二十三。平次がウマの年だから、これは、私と同じ。お静は、イヌの年という勘定になる。
ところで、平次は、どうして年を取らないのかと、しばしばきかれる。最初が三十一歳なら、二十七年書いているうちに、五十八歳に、なるはずだというのだ。